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BSchで作成したデータのBSch3Vへの移行


BSch Version 0.9xまでを使って作成した回路図データの、BSch3Vへの移行について解説します。

概略

データの移行は、次の手順で行います。

  1. .CE2ファイルが必要とするライブラリファイルを使えるように、BSch3Vのライブラリ設定を行う
  2. .CE2ファイルを、CE2TO3でライブラリ情報を含まない .CE3ファイルに変換する。
  3. ライブラリ情報を含まない .CE3ファイルを、BSch3Vで読み込む
  4. 回路図が再現できているかどうか、BSch3V上で確認する。
  5. BSch3Vで保存して完了。
変換する際の制限と注意事項
(1)垂直のラベル
ラベルにはアンカーという概念があります。ネットリスト作成ソフトを使う場合、ラベルはアンカーの位置で、図面上のワイヤーと関連付けされます。
BSchでは、垂直ラベルのアンカーはラベルの右上に位置しますが、BSch3V/Qt-BSchでは、垂直ラベルの右下に位置します。変換後も、アンカーの位置が優先して保持されるため、見かけ上の垂直ラベルの位置は変化します。

(2)文字コード
ce2to3 は、文字コードの変換を行いません。
変換した.CE3ファイルをBSch3VやWindows版のQt-BSchで読む場合には問題になりません。
しかし、MacやLinuxのQt-BSchで読む場合には、改行やコメントに含まれるShift-JISコードの文字が問題になることがありますので文字コード、改行コードの変換を行ってください。
.CE3ファイルはテキストファイルですので、汎用の文字コードコンバータが使えます。


手順の詳細
  次のような回路図を、変換してみます。


変換するファイルをBSch Version 0.941で読み込んだところ

回路図ファイル ABC.CE2
ライブラリファイル DISCRETE..LB3
LOGIC74.LB3
CONSW.LB3
ORIGINAL.LIB (古い形式のライブラリ)

1. BSch3Vでのライブラリ設定

  BSch3Vは古い形式のライブラリを扱うことができません。この例のように古い形式のライブラリを使っている場合には、あらかじめ.LB3に変換しておきます。
  この作業は、BSch用のライブラリエディタ LCo Version 0.30cで行います。
  LCo Version 0.30cで、ORIGINAL.LIBを読み込んでそのまま保存をおこなうと、ORIGINAL.LB3になります。
  LCo Version 0.30cは、水魚堂の旧作ソフトウェアからダウンロードできます。

  ライブラリ形式が.LB3でも、BSchで使っていたライブラリファイルは、部品の模様(パターン)にビットパターンしか持っていないはずです。できれば、内容に互換性のあるベクトルパターン対応のライブラリに差し替えてください。
  ここでは、DISCRETE.LB3、LOGIC74.LB3、CONSW.LB3は、ベクトルデータに対応した新しいものを使うことにします。


BSch3Vのライブラリ設定

2. CE2TO3で回路図ファイルの変換

  CE2TO3を起動して変換したいファイルを選びます。


変換ソフト CE2TO3

  CE2TO3の参照ボタンを押すと、ファイルを開くダイアログが現れますので、それでファイルを選択することができます。このほか、Windowsのエクスプローラから、CE2TO3のファイルのリストボックスの中にドラッグ&ドロップしてもOKです。
  BSchのコメントには8×8ピクセルの小さいフォントか、1種類のWindowsフォントのどちらかが使えました。CE2TO3はデフォルトで表示されているようなフォントに置換します。

  ファイルが選択できて、フォント設定もできたらOKボタンを押して変換を実行します。


CE2TO3のメッセージ

  CE2TO3は毎回、上のようなメッセージを出します。
  CE2TO3で作られる、.CE3ファイルにはまだライブラリ情報が含まれていません。

3. BSch3Vで変換した回路図ファイルを読み込む

  上の「1.」で、BSch3Vのライブラリ設定が完了していれば、変換してできたファイル(ここではABC.CE3)を、BSch3Vで読むことができるはずです。


変換後のファイルをBSch3Vで読み込んだところ

  正しく変換できていることを確認したら、メニューの[ファイル]→[上書き保存]で保存します。BSch3Vで保存を行うと、ライブラリ情報付きの回路図ファイルになります。